アラタなるセカイ・現在編

作品紹介

2012年、人類は滅亡を明日に控えていた。
人間は、『明日』になったら全員消えてしまうらしい。だけどその『明日』を、人類は瀬戸際で回避した。

時間に足踏みを続けさせることで、わたしたちは今日も生きている。今日しか生きることがなくなった。
明日も明後日も、ずっと続く同じ日を。

「……改めて考えると、SFだなぁ」

わたしの教室は三階にあった。生徒数が減ったので一クラスに纏められて、
A組の教室で全員が顔を合わせていた。
「あー。早く人類復活しないかなぁ」

教室に入ると、少女が椅子に座っていた。

「ま、期待しない方が賢明でしょ」

その少女、千種がわたしを一瞥する。不慣れなように、少し笑った。

「ねぇアラタ」
「んー?」
「あんたも時々は考えない? これからなにをして生きればいいのか、とか」

目的というものが、わたしたちの毎日には欠けていた。この世界を救う役目から弾かれた日より、ずっと。
どう生きるべきか。

「……あー」

ちょっと考えるだけで知恵熱が出そうだ。
だからそのまま寝込んでも良いように、お家のベッドの中でだけ考えるとしよう。

登場人物


クロスオーバー


パロディ元ネタ


初期案と思われるあらすじ

『残っている同級生の誰かが、人類滅亡の原因だ』

過去から送られてきた手紙には、見慣れた友人の字で真っ先にそう書かれていた。
翌日、わたしは何週間ぶりか定かでないけれど学校へ出かけてみた。
犯人捜しに出かけた、というのは嘘だけど気にならなかった、
というのも同じく嘘だった。

「よー、アラタ。あんまり来んから、学校への来かたを忘れたのかと思った」

あ、ちなみにアラタってわたしのこと。漢字では新と書く。
大抵、シンって誤読される。

「えー、ノーコはなにしにきとるん。しょっちゅうきとんの?」

この教室にいるのは落ちこぼれ、というやつだ。
少なくとも、時間旅行という
線引きにおいては、役立たずの方に分類される人ばかり。
わたしもその中の一人だった。

  • 最終更新:2012-10-30 03:24:50

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